“くり”めぐりあい物語

“くり”めぐりあい物語

第一話

柿がひなたぼっこしたら
おいしい冬のお菓子になりました


今月は【ひなたぼっこ】


懐かしい故郷の
情景を栗きんとんに

恵那川上屋の代表鎌田が小学生の頃のこと。初冬になると、田舎のおばあちゃんと縁側でひなたぼっこしながら柿の皮をむき、吊るして天日干しにしました。軒先に吊るした柿がお日様に映えて縁側はオレンジ色に染まり、ぽかぽかとしたあたたかな情景に包まれた記憶。次の世代にも残したい風景です。そんな懐かしい思い出から生まれたお菓子が、干し柿をまるごと使った冬の栗きんとん「ひなたぼっこ」です。

上品な甘さと食感。
巡り会った市田柿

栗きんとんに合う素材を求め、信州伊那谷の下条村で出会ったカネシゲ農園さんとは30年近くのおつきあい。昼夜の寒暖差、日当たりの良い南向きの傾斜地、清冽な雪解け水といった果樹栽培に適した気候風土に加えて、カネシゲ農園さんでは土づくりからこだわり、手間暇をかけて美しいオレンジ色の干し柿に仕上げます。市田柿の上品な甘さと食感は、市自然界の生キャラメルのよう。硬めに炊き上げた栗きんとんと相性が抜群で、干し柿が苦手という方もこれならおいしく食べることができると言われるほどです。

噛みしめるほどに美味
柿と栗の一体感

開発当初、市田柿の程よいやわらかさを求めては失敗と改良を繰り返し、カネシゲ農園さんと力を合わせて研究に取り組んできました。理想の柿が決まれば、後は栗きんとんの炊き具合。試行錯誤してようやくたどり着いたお菓子、それが栗と柿の究極の一体感を叶えた、ひなたぼっこです。2つの素材が互いの魅力を引き立て、噛みしめるほどにおいしさが混ざり合う冬だけの贅沢をご堪能ください。