受け継がれる味
「くり壱」のストーリー
恵那川上屋の棹菓子「くり壱」は、栗きんとんを芯に小豆餡の生地を朴葉で巻いたオリジナルの蒸し羊羹。爽やかな朴葉の香りをまとわせた里山の風情漂う一品として高い人気を誇り、最近では口コミやメディアなどでも数多く取り上げられることから全国各地の皆様よりご注文をいただいています。
くり壱が誕生したのは、今から約35年前に遡ります。熟達した餡炊きの技によって仕上げる蒸し羊羹と、自慢の栗きんとん。これらを合わせて棹菓子ができないかと模索し、和菓子職人である創業者の鎌田満が生み出しました。恵那川上屋には栗きんとんを使ったお菓子が多数ありますが、くり壱はその代表格です。栗の炊き方や素材の配合、裏ごした粒の大きさなども小豆餡の生地と合うように工夫を凝らしています。凝縮された栗の味わい、上品な甘さで口どけなめらかなこし餡、蒸し上げることでさらに朴葉の香りをふくよかにした逸品です。
岐阜県東美濃地方では朴葉寿司や朴葉団子といった食文化が根付き、青葉が大きく成長する5・6月頃になると朴葉でくるんだ料理が各家庭の食卓を彩ります。古くから親しまれてきた朴葉料理ですが、近年では朴葉の栽培も他の農業・林業と同様に生産者の高齢化が進み、継承していくことが年々難しくなってきています。恵那川上屋では栗栽培を行う関連会社の農業生産法人(有)恵那栗を通して、数年前から朴葉の収穫・加工に取り組んでいます。