三十年前の洋菓子店は、
地域の菓子材料問屋から
材料を仕入れて製造していました。
大手の輸入材料問屋は
フランスから材料を仕入れると、
一斉に全国の卸問屋に卸し、
レシピをつけて営業をかけます。
それはどこの洋菓子店も
同じ材料を使うことになり、
差別化はとても難しい時期でした。
恵那川上屋は
国産の素材を加工している会社でしたので、
思い切って今までの固定観念を捨て、
和栗でモンブランを作ってみたいと思い、
フランス産栗ペーストと
自社のペーストを合わせて、
あんこのような硬さに炊き上げ、
シンプルにパイのタルトとカスタード、
無糖の生クリームで仕上げました。
これが栗山のはじまりです。
栗山は、
30年の間、甘さを徐々に控えてきました。
パイ皿はプレス機で形を維持できるように
昨年から変更し、
生クリームも
今までに3回以上もの改善を繰り返しています。
また、恵那川上屋らしさを表現するために、
スペインの栗メーカーと契約し、
自社用のペーストをオリジナルで製造しています。
和栗のモンブランを栗山から始めて、
後に秋には和栗だけのモンブランも始めました。
収穫時期が8月から10月、
早生栗と中生栗、
晩生栗の三種類を
時期に合わせて提供しました。
その経験から
今では大きな栗きんとんの形をした栗風や、
スペイン産の栗ペーストをふんだんに使った栗欧、
和栗のみを贅沢に使った栗里を開発し、
その間の商品を栗山として
今でも多くのお客様に支持されています。
さらには三種のペーストに対し、
中身を変えたセゾンシリーズは、
モンブランの可能性を常に研究し
提供が始まりました。
栗山の進化は、
恵那川上屋にとって
和菓子と洋菓子を超えた商品へと
変化したことを表しています。
恵那川上屋は
和菓子でもなく洋菓子でもなく、
農業を軸として
地域文化を販売している会社へ成長したのは、
この栗山からなのです。