栗の豆知識の最近のブログ記事

桃栗3年

古くからのことわざで、何事も時期が来なくてはできないというたとえに使われる一節「桃栗3年、柿8年、梅はすいとて13」。

後に続く言葉は地方によって異なりますが、年数はほぼ同じです。

この年数は、種を植えてから開花し実のなるまでの年数とされ、「桃栗3年柿3年」の他に、枇杷は9年、柚は18年、銀杏は30年などと続く例もあり、最も開花までが長いとされる竹は、100年〜120年などと謳われています。

竹は木によっては花が咲かない個体もあるので、3桁の年数は竹花がそれだけ珍しいという意味の現れでしょう。

ところが、この「桃栗3年」。実際はどうなんでしょうか、と栗博士にお尋ねしたところ、この年数は苗を植えて(または接ぎ木して)からの期間ですよという答えをいただきました。

種を植えてから結実までは約5年かかるそうです。また、苗から3年ではまだ美味しい栗がとれません。

幼木を過ぎた4年目からが本格的に成熟した栗が結実するということです。

超特選恵那栗をもっともっとたくさんの方に食べていただきたいと、着実に栗畑を増やしているところですが、栗がたくさん採れるまでにはじっくり待っていただく必要があります。

栗の幼木

渋皮について

栗の実にしっかりと張り付いて、栗をむくときにはとてもやっかいな渋皮。うっかりそのまま食べるとその名の通り渋みが強く、とかく敬遠されがちの渋皮ですが、この内皮の成分が最近とても脚光を浴びています。

その渋さの本である「タンニン」には抗酸化作用があり、成人病の予防にも効果が期待できることが実証されています。

渋皮ごと調理すれば面倒な作業がひと手間省ける上に、むき栗の栄養価に、さらなる効果が加わるわけです。

甘露煮を渋皮ごと煮ると、苦みが薄れ、味にコクや奥行きが感じられます。当店の「渋皮煮」はごひいきのお客様も多く、人気商品となっています。むき栗だけのあっさりしたストレートな風味に比べ、渋皮付きは栄養と風味が特徴です。捨てる部分が少なくエコロジーにもなる渋皮栗のお菓子を是非どうぞ。

渋皮の成分がとけこんで風味も一層豊か

(渋皮の成分がとけこんで風味も一層豊か)

栗の下ごしらえ

甘くて栄養のある果実を外敵の虫や鳥などの動物、または環境の変化などから護るため、栗の実は、とがった毬と堅い鬼皮、とても剥がしづらい渋皮に包まれています。ですから、その実をお菓子の材料として取り出すまでにとても手間がかかります。でもそのぶん、いただいたときのおいしさは格別。

ここでは、渋皮を剥がすまでの下準備を簡単に説明します。まずは、栗を流水で揉むように丁寧に洗います。桶の水を取り替えながら23回繰り返します。まず鬼皮ですが、一般家庭用に専用皮むき専用はさみもあります。これを使うと一度に鬼皮と渋皮がむけますが、仕上がりの綺麗さはやはり馴れた人の包丁さばきに勝てません。栗を横に持ち「座」から頭に向かって包丁を入れ剥がすようにむきます。次に渋皮も同じ要領で丁寧にむき、すぐに塩水に漬けます。この渋皮をむいたあとの実の表面の美しさが、甘露煮等には肝心です。

むき栗の保存は、よく乾かした後新聞紙に包んで冷凍庫へ。解凍しないで凍ったままで鍋などに入れることが風味を損なわない秘訣です。

洗って皮むき器を使えばご家庭でも気軽に栗調理が楽しめます

(洗って皮むき器を使えばご家庭でも気軽に栗調理が楽しめます)

 

ダイヤモンドカットという多角形の美しい表面仕上げが職人の技術です

(ダイヤモンドカットという多角形の美しい表面仕上げが職人の技術です)

栗の栄養について

戦国時代には、武将が武士に乾燥した栗を保存食として携行させた、という話は以前の豆知識でご紹介しました。栗の甘みが戦場の兵士達の心を癒したと想像されますが、実は栗には豊富なミネラルやビタミンも多く含まれていることは意外に知られていません。ビタミンについてはなんとリンゴの8倍もあります。

東洋医学では、栗は腸を温め強くし、精力を養い、足腰を強靱にし、血液循環をよくするとされています。

まさに、戦う兵士達にふさわしい食物ですね。栄養分析などできなかった昔でも、その効果を体で感じたのでしょうか。

また栗は食物繊維も豊富で、良好な便通や肥満予防も期待されます。野菜が不足がちの現代人にもぴったりな食べ物です。おいしいだけでなくて健康にもよいとは、また栗を食べる機会が楽しみになりそうですね。

次回の豆知識は、最近注目されている栗の渋皮についてお話しします。

太陽を浴びてふっくらつやつやに育った恵那栗

(太陽を浴びてふっくらつやつやに育った恵那栗)

栗の豆知識 3

日本では、石器時代の遺跡から炭化した栗が見つかったことで、数千年も前から栗を食べていたことがわかります。野生の栗は、現在日本で栽培されているものより小粒で甘みが強いですが、収穫量が多くありません。砂糖やお菓子などがなかったその頃は、甘くて栄養のある貴重な食べ物だったと考えられます。栗の実だけでなく、木材も家屋や祭祀用の建物などに利用されました。栗の実や木は神聖な場所やお供え物にも使われていたことがわかっています。

 戦国時代には、栗の栄養価や縁起のよさに武将が目を留め、栽培を奨励し干した栗を「かちぐり」として兵士達に持たせ、士気を高めました。このように栗は、太古の昔から日本人の愛する食べ物として親しまれてきたのです。

縁起を担いで食べられた保存食「かちぐり」

(縁起を担いで食べられた保存食「かちぐり」)

栗の豆知識2

栗は、ブナ科の落葉樹。農園の樹木は「剪定」といって、枝を払うために樹高が低いですが、そのまま放置しておくと7〜8mにも育つ高木です。6月頃、独特のにおいを放つ細長い花を付け、果実は「いが」で包まれているのが特徴です。木材は耐久性や耐湿性に富み建物の土台などに使われます。

 「いが」の中には、通常2〜3個の栗の果実があり、果実は堅い外果皮(鬼側)で包まれていて、その下には種皮(渋皮)があります。お菓子にするためにこれらの種皮を取り去ることはとても大変な作業で、それだけに栗のお菓子は、ありがたく、おいしくいただけます。恵那川上屋では中身をくりぬいた後の種皮を、肥料にして土に還したり、染色に活用できるように開発を進めています。

栗の外観・断面

(栗の外観・断面)

 

栗の品種について

日本の山で昔から自生している「シバ栗」と中国栗を掛け合わせることからはじまり、栗の品種はいくつも派生してきました。長年の研究で、日本の風土に合い、害虫や病気に強い品種が残り、受け継がれています。東美濃地域で栽培されているのは日本でも代表的な11の品種。早生から晩生まで、それぞれいくつかの品種を混合栽培して、常に安定した収穫量を保っています。早生の「胞衣(えな)」はまさに、栗きんとんのためにつくられた早生の品種。「金華」は栗農家でもあり栗博士として活躍されている塚本實(つかもとみのる)さんが開発された早生の品種です。他に、伊吹、丹沢、出雲、大峰、国見、筑波、利平、有磨、銀寄、石鎚があります。

 

栗きんとんのために開発した品種「胞衣」 (栗きんとんのために開発した品種「胞衣」)