恵那栗についての最近のブログ記事

栗きんとん開発のキーワードは「栗農家直伝の味」

恵那川上屋の栗きんとんは、栗の風味を最大限に引き出すため、つねに味や製法の研究が行われています。色々な栗きんとんを食べたりつくったりするなか、いちばん菓子職を唸らせたのは、誰がつくったものだと思いますか?それは、長年栗を栽培している専門家でもある、栗農家のおばあちゃんがこさえた手づくりの「栗きんとん」でした。

  私たち、栗をこよなく愛する工房のスタッフは、栗農家直伝のあの味をどうしても皆さんに味わっていただきたくて、農家の方々のアドバイスをいただきながら試作を重ね、ついに「栗農家に伝わる昔ながらの炊き方に限りなく近づける」ことができました。

 おばあちゃんの味がおいしいのには色んな秘密があります。まずは、なんといっても栗好きの人が調理していること。つぎに、手早く焦げができないように、かつ、まんべんなく火が通るように炊き上げること。一言でいうと簡単なようですが、手鍋一つでつくる家庭の量と、大釜で大量に炊く工房とでは規模が違います。いかにして家庭の製法を大釜で再現するかがポイントでした。

 そして「栗を愛する方々に少しでも美味しい栗きんとんを」という工房スタッフの熱い思いがついに実現。工房スタッフの心意気がこもったきんとんを、今では多くの皆様に納得して召し上がっていただいています。

まごころこめて仕上げられた栗きんとん

(まごころこめて仕上げられた栗きんとん)

「恵那栗」は私たちが育てた文化です

栗の事をもっと知りたい。優れた栽培方法を大切に伝えていきたい。栗を愛する仲間をもっと増やしたい。そんな思いから自社農園を稼働しています。

 東美濃の契約農家で生産される恵那栗は、各方面から注目されるようになり、全国各地の栗栽培に携わる方々から「東美濃栗振興部会」への問い合わせや視察依頼が殺到しています。土作りや自然栽培にこだわり、風土を生かした作物栽培をする真摯な姿勢が、全国に認められた結果です。

 私たち恵那川上屋のスタッフは、「恵那栗」はもはや単なる特産品ではなく、この地方の文化であることに気づき、この大切な文化をさらに研究し深めて、自分たちも多くを学び次世代に伝承していきたいと考えるようになりました。

 早速土地探しから始まり、農家の皆さんの協力を仰いで、自分たちの手で開墾、植樹が始まっています。

 

休耕地などを利用して植えられる苗木

(休耕地などを利用して植えられる栗の苗木)

 栗の手入れや収穫に手いっぱいの栗農家に代わって、栽培方法などの開発・研究・実験圃場を兼ねているのが自社農園です。具体的には栗の皮や枝を利用した堆肥作りや、農薬を使わない除草方法、恵那の風土に合った強い栗の品種作り、さらに農業経営の仕組み作りまでも取り組みます。

 目指すのは農家の皆さんが大切に育ててくださった栗を余す事なく利用できる循環型の農業です。毬や鬼皮、渋皮を土に還したり肥料にする計画、また染料や石けんにする研究もしています。

 恵那山の麓が日本一の栗の産地と認められる日はもうすぐそこ、とスタッフ一同じ願いのもとで、栗の達人となれるよう頑張っています。

同じ夢を分かち合って栗のスペシャリストをめざします

(同じ夢を分かち合って栗のスペシャリストをめざします)

 

恵那の栗だから自慢できること

栗の産地は日本全国にあり、それぞれその土地の環境にあった、個性ある栗が育てられています。今回は、産地で栗が収穫されてから、お菓子屋や八百屋に届くまでのおおまかな流れをご紹介します。

 農家で収穫された栗は、農家からで市場に持ち込まれると、各産地ごとに一つにまとめられ、選果作業に入ります。そして産地ごとにランク分けされた栗はそれぞれの地方に向けて出荷されます。

 栗の枝から市場出荷を経て、全国各地の卸市場に届くまで国内では約3〜5日が費やされます。栗は何より新鮮さが命。農家から工場までの距離が長いほど、その間に刻々と新鮮さが失われ、さらに虫の発生防止のための処理なども施されることになります。また、流通コストに加え、諸処の管理費が重なり、お菓子の値段にも影響します。

 恵那川上屋の契約農家は遠くても一時間以内の距離。朝採れた新鮮な果実を迅速に、そして農園ごとに直接納入して頂けます。農家と企業の連携は全国でも少ないとても恵まれた環境なのです。

 

早朝に収穫されて新鮮なうちに工房入りする恵那栗

(早朝に収穫されて新鮮なうちに工房入りする恵那栗)

つやつやの黄金色も、土の養分を吸った芳醇な香りも、きゅっとしまって歯ごたえのある食べ心地も、恵那地域の畑で出来た栗だから実現したことなのです。

 栗のランクには、その品質で「一般」「特選」に分けられますが、恵那川上屋の契約農家の栗はすべて特選を上回る「超特選」に格付けされています。恵那の畑は、気候、土壌、日照時間、標高、降水量など、栗の味が決まる大切な条件をすべて満たしているのです。

 その上さらに、他にはない強力な天然の肥料が施されています。それは「栗に対する熱い気持ち」。厳しい基準の品質管理基準のもとで一年中愛情という肥料で大切に育てられている栗は他にはないと自負しています。

 

厳しい栽培基準で大切に育てられています。

(厳しい基準で大切に育てられています)

 ここで前回の記事でも申し上げましたが、恵那山の麓で収穫される恵那栗の生産拡大を図ることが最大の目的ですが、お客様の要望に生産量がなかなか追いつかないのが現状です。全国各地の信用できる農家の方々に超特選恵那栗栽培の技術を供与し、恵那で収穫された栗に負けるとも劣らない栗を生産していただき、迅速に納入したもので足りない分を補っています。恵那の畑を拡大すると同時に、後々には産地の各所に加工所を設け、新鮮なうちに種に加工して納入する方法も検討しています。

 皆さんに少しでも安心、安全、おいしい栗を愛でていただけるよう、たゆまぬ努力をしています。これからも温かく応援よろしくお願いします。

栗の品質基準を確認する「目揃え会」

超特選栗部会では、それぞれの農家から出荷する栗の品質を統一するために、早生「丹沢」の収穫が始まる毎年9月上旬、選果も講習会を行います。これには恵那・中津川地域の、超特選栗部会のみなさんが出席します。

 「目揃え」とは、その年の栗を持ち寄って、育ち具合や病害虫の被害状況などを確認し、それぞれの農家や地域で、品質にばらつきがないように、基準を揃えることをいいます。

 その後も、収穫期間中は毎日、それぞれの地区で各農家からの出荷物を持ち寄って、厳密なチェックが行われます。

  こんな風に栽培農家の方々の努力や向上心があってはじめて、超特選恵那栗のその優れた品質と美味しさが保たれています。

栗栽培農家同士の貴重な交流の場でもあります。

(栗栽培農家同士の貴重な交流の場でもあります)

栗の枝の剪定士制度

超特選恵那栗の栽培基準に、超低樹高栽培という特殊な剪定方法を用いた栗の生育法があります。これは中津川市在住の栗博士、塚本實さんが研究・開発した特殊な剪定方法を行うことで、栽培の平易、収量の増加、悪天候などに左右されにくい収穫量が期待されるものです。

 この剪定に携われるのは、規定の講習を終了した、恵那・中津川で現在95名居る「剪定士」の方々だけです。剪定士として認定されると、自宅農園の作物の品質向上だけでなく、JA等の機関からの依頼により、31組程度のグループで有料の剪定作業に赴くこともあります。組を作るのは、作業の能率化と、相談による確実な剪定方法の見極めなどが目的です。

 剪定の講習会は、各地域で年1回行われるほかに、新人研修会なども催され、技術の向上に積極的な方は、毎回各所に参加されます。

 

真剣な眼差しで講習を受けられる皆さん

 (真剣な眼差しで講習を受けられる皆さん)

 講習会の会場には。高齢化で剪定が困難な農家などが選ばれ、講習を兼ながら、剪定のお手伝いを兼ねたり、跡継ぎや2代目の方に積極的に参加していような農家を選んだり、工夫がされています。

 

夏期剪定は暑い中たいへんな作業

(夏期剪定中は暑い中たいへんな作業)

 今後は、試験制度なども厳密にし、一層の品質向上が期待されています。

 

栗を愛する仲間たち「栗人(くりうど)」という考え

私たち「栗をこよなく愛する」工房スタッフは、同じように栗を慈しみ育てている栗農家の方々との相互交流を深めながら、日本全国の栗きんとん栗愛好家のお客様に、たくさんの美味しいお菓子をお届けしようと頑張っています。

 そんな私たちの理想は、栗農家、工房スタッフ、お客様の三者が「栗が好き!」という同じ心をもつ仲間「栗人(くりうど)」として、同じ喜びが共有できることです。毎年、丹精込めて育てた栗のお客様の反響に、栽培農家も一喜一憂。そして、お客様も毎年の天候や栗の収穫状況をハラハラして見守っていただくなど、私たち工房が仲介人となって、同じ喜びやドキドキ感を「栗人」の仲間で分かち合うことで、栗を愛する気持ちが共鳴しもっともっと栗や栗菓子、栗文化が全国へ広がってほしいと願い、これからの活動などに付いて思いを馳せてます。。

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(栽培農家と工房とお客様の交流の場である感謝祭)

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(栗人のTシャツと手ぬぐいを販売しています)

スペイン交流報告 その2

オレンセの栗祭り「マゴスト」

 スペイン行きのもう一つの目的は スペイン オレンセの栗祭り、マゴストへの参加でした。マゴストは、ヨーロッパの栗の一大産地であるオレンセで開催される栗の収穫祭です。

 お祭り会場中央では大きな鉄板が用意され、地元産の栗が次々と焼かれます。袋詰めにされた栗はお祭りの参加者全員に配られ、参加者は同じく盛大に振る舞われる特産品のワイン、パンとともにそれらをいただき、収穫の喜びを分かち合います。

 

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        (大きな鉄板で栗を焼いて参加者全員にふるまう)

 

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       (オレンセ特産のワインと栗とパンがメインディッシュ)

 オレンセの栗は自然の山でのびのび育った天然栗。焼くとぽろっと皮がむけて、とてもおいしい栗です。マロングラッセに最適なのでこの地方の名物になっています。

 長い歴史を持ち、シンプルで活気のある感謝祭で、現地の方々との交流も合わせてとても有意義な時間を過ごしてきました。昨年11月には本社のある恵那でも第1回豊年謝恩祭を開催しました。日本のマゴストとして末永く続く伝統のお祭りにしていきたいと意気込んでいます。お楽しみに。

09秋 スペイン交流報告 その1

ヨーロッパでも栗きんとんは大人気。

 かねてより交流のあった、スペインのお菓子会社ホセ・ポサーダとのご縁から、この度、ヨーロッパのグルメフードショーに参加しました。

 2009年11月6日、7日、8日、本年度の担当国スペインの、サンディエゴ・デ・コンポーストラで行われたこの総会は、OENOガストロミック団体のヨーロッパ議会が主催。ヨーロッパ全土の高品質で多種多様な商品のテイスティングが行われる品評会です。 ワイン、海産物加工品、エコロジックフードなどの製造・販売会社や、バイヤーの方が参加し、ここで良い素材と出逢えばそこから取引や交流のチャンスが広がります。

  毎年国を替えて開催されるこの会に、恵那川上屋の栗きんとんを出品させていただける事になり、大変光栄な想いを胸にスペインに赴きました。当日は栗きんとんの実演を行い、地域食文化の継承や、栗での相互交流の意気込みなどをプレゼンテーションしました、

  欧州では比較的糖分が多いお菓子が伝統なので、栗きんとんの淡い甘さと風味の侘び寂が伝わるかとても心配でしたが、お陰様で大変な良い評価をいただき、温かい思いで胸がいっぱいになりました。

  参加のきっかけを作っていただいた、ガストロノミー協会理事のホセポサーダさんに感謝すると共に、ご縁というものの不思議さとありがたさを実感しました。

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(ヨーロッパの方々にも大好評だったきんとんの実演)

 

中津川市栗振興会 女性部の活動について

栗農家のご婦人方の情報交換の場

 中津川市に農園がある超特選栗の栽培農家の中で、有志の女性の方々が、女性部の活動に参加されています。現在20人ほどいらっしゃいます。

 兼業農家が多い中、ご主人が出勤されている日中の畑を預かり、主な作業を任されている陰の主役が女性の方々です。ずっと家で辛い作業をされているので、定例の会合は貴重な情報交換と、日頃のストレス解消の場。皆さん楽しみに集まってくださるそうです。会合では勉強会、栗のレシピの交換や栗料理、栗菓子の研究まで色々な試みをされ、恵那川上屋の新製品の開発にも大きく貢献していただいています。

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(JAのキッチンを借りて製作作業やレシピ研究などされています)

恵那山の麓の地域で女性部はここだけということで、色々な大会やイベントにも声がかかり、配布や販売用のお菓子などもボランティアで製作されています。

 恵那川上屋の菓子職人とのコラボレーション作品がもっと増えていくことを、工房でも期待しています。女性部のみなさん、よろしくお願いします。

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(中津川市栗振興会 女性部部長の土屋厚子さん)

 

恵那川上屋の栗菓子について

 こちらの「栗のはなし」コーナーでは、超特選恵那栗を素材に使用したおすすめのお菓子をご紹介しています。

 現在、恵那山の麓の契約農家で収穫されている超特選恵那栗は100t弱ですが、それだけ採れてもまだまだお客様の需要にはお応えできていない状況です。

 もちろん栽培面積や収穫量の増加を目指し頑張っていただいていますが、桃栗3年というぐらいで、成木になってから、おいしい栗ができるようになるまでは35年、種や苗からですともっと遙かなる時間をかけないと栗の収穫には至りません。

 そこで、超特選恵那栗の技術を他の場所の栽培者に供与して、恵那山の麓以外でも収穫が確保できるように活動が行われ、そこから仕入れた栗も使用しています。

 将来的に恵那山の麓の栽培農家で全量を確保するのが目標ですが、その頃には、技術供与した土地での栗生産量も増えているはずです。恵那山の麓と並ぶ栗の産地として街おこしにつながって行くことを願っています。

 現在、長野、熊本等では栽培方法の技術移転の他に、素材の一次加工が進んでいます。これら他産地と連携しながらどんどん産地開発をすすめていく方針です。

 恵那山の麓で収穫された恵那栗、他の産地で技術供与して厳しい生産管理の下で育てられた恵那栗。それらを総称して一つの恵那栗と称し、素材の良さを生かすおいしいお菓子作りに励んでいます。

おいしい栗が採れる他県の産地で技術講習を行う塚本實先生

  (おいしい栗が採れる他県の産地で技術講習を行う塚本實先生)