2010年7月アーカイブ

夏も近づく八十八夜を過ぎて、新茶の美味しい季節です。

夏の栗きんとん発売のシーズンになりました。栗きんとんを水生地で包んでのど越しひんやりした水菓子には、清々しい薫りの新茶がよくあいます。

 現在、店頭では淡い夏きんとんの風味を地元の美味しい新茶とともに楽しんでいただこうと、お茶の里「東白川」の特別ブレンド茶を限定発売しています。このお茶は、第三セクターで経営されている「新世紀工房」の茶師が恵那川上屋のお菓子のために特別に調合したもの。強火により香ばしさと若干の苦みをひきだした栗菓子にあう「淡茶」。青さを残したすっきり感と渋みが餡や饅頭によくあう「濃茶」。どちらもそれぞれのよさがあり、お菓子とともに飲み比べていただくといっそうそれが良くわかっていただけます。晴天と雨とでは大きく気温が違うこの季節、熱いお湯で薫り高く、水でゆっくり出した冷茶で茶葉の甘みをと天候や気分に合わせてお楽しみください。

濃茶と淡茶

「東白川茶」ご紹介

日本で一番北にあるお茶の産地、東白川村で丹精こめて育てられる茶葉。

岐阜県の東白川村は、白川茶のふるさと。飛騨川の上流部に位置し、昼夜の温度格差が大きく、村の中心を流れる清流白川から立ちこめる朝霧が、香り高い良質な茶葉を育みます。

 白川茶の起源は約400年前、大沢村蟠龍寺の住職が、宇治から茶の実を持ち帰り、里人に茶の栽培を奨めたのが始まりと言われています。標高500m前後の山の斜面を利用した茶畑と昼夜の温度が大きな独特の風土は、味に深み、色にさわやかさ、そして香りになつかしさただよう独特の風味を育みます。長い冬を越え厳しい自然を耐えた希少茶葉には山のお茶ならではの香り高さが宿ります。

過去十回の農林大臣賞、そして天皇杯、日本農業賞に輝く確かな素材であること。そして、超特選恵那栗と同様、ふるさとの特産物・日本の伝統食材であるお茶の文化を護り全国へ発信しようとする姿勢に共感し、今回のコラボレーションをお願いしました。

東白川村の茶畑

栗の花が咲きました

芽吹きと同時にぐんぐん大きくなる栗の葉。最初は肉厚の小判型ですがしだいに細長く、色も若干濃いめに成長していきます。そうこうしていると葉の間からは花芽がにょきにょき。どんどん長くなる芽には小さな蕾がぎっしりつきます。芽が長くなるにつけ蕾の間隔も広くなり、やがて成長した芽が垂れ下がってきた頃、開花を迎えます。

 よくみると長く成長した雄花の根元に小さな雌花が。やがて開花して花粉が雌花に受粉すると栗の毬の赤ちゃんになります。

 梅雨に入りそろそろ真っ白に開花が始まります。匂い立つような栗の花満開の様子をまた畑からお知らせします。

栗の花

超特撰恵那栗のお菓子 −夏栗きんとん 栗観世−

夏の食感を極めた泡沫生地

 梅雨の訪れとともに気温も湿度も上昇し、蒸し暑い日本の夏が始まります。じわじわと吹き出た汗をさっと引かせ、ほっと一息つけるおもてなしといえば、清涼感たっぷりの水菓子。暑い季節には、涼感が一番のご馳走です。

 水菓子の素材には古来から日本に生息する「蕨」や「葛」「蓮」の根を粉にしたもの、そして海草を加工した「寒天」などが使われてきました。

 それぞれの素材は、独特の風味や食感を持ち、それぞれ特徴があります。透明感に優れていますが、弾力がなく喉ごしが少し堅めな寒天。ぷるんとした食感が魅力ですが、色がくすみがちでな蓮の粉。漢方薬にも使われる葛粉は半透明でとても涼しげですが、コシがあるので舌の上ですっと消えるようなはかなさに欠けます。そしてなにより、天然素材共通の難点は、希少で値段が高い上に、生地が安定しないことです。

 そこでそれらを補うために、現在では素材を固める材料としてゼラチン、カラギナン(海草抽出物)、寒天などのゲル化素材に加えて、それらを2種類以上あわせた増粘多糖類などが開発され、これらを取り入れることで、自然素材の欠点を補ったとても扱いやすく、不思議な食感の夏生地が実現しています。

 私たちは自然素材を最大限にとり入れて、昔ながらの水菓子のおいしさを楽しんでいただくとともに、製法や生地素材の組み合わせを研究して、今までに無いような食感、喉ごし、後味をもつ清涼感あふれる夏の創作水菓子を開発しています。栗きんとんに合わせる夏らしい水生地を模索して、何度もの改良を重ねながら生み出されたのが「泡沫」水生地。山あいを流れる渓流の澄んだ水に、現れては消える水泡をイメージしました。空気を含んだ細かな泡が醸し出す透明感のある白さは涼感を誘い、ひんやり、ぷるぷるとした舌触り、そしてつるんとした喉ごしと爽やかな後味にうたかたのはかなさを表現しています。

 美味しい水をよく知っている蛍が憩う水。醸し出した水の波紋から観世水をイメージして「栗観世」となづけました。恵那栗のきんとんを夏らしく食べていただくための水生地の夏きんとんをお楽しみください。

夏栗きんとん 栗観世