2010年2月アーカイブ

手合栗最中

 餅米の生地を焼いた皮に、色々な餡を挟んでいただく最中は、和菓子の中でもスタンダードな商品です。恵那川上屋謹製商品にもオーソドックスな最中があり、好評をいただいていましたが、最初から合わせてある最中は、時間とともに餡等の湿気を吸って、皮がしっとりしてしまいます。(注:現在もまだありましたらおしらせください。修正します)

 そこで、皮と餡の別々に包んで、お客様が召し上がるときに合わせていただくような、手作り感いっぱいの最中をと試行錯誤を重ねた末、皮だけ、また餡だけ食べてもおいしい商品が出来上がりました。

 じっくりと炊き上げた栗あんと、パリッと香ばしく焼き上げた最中皮。お客様のひと手間でいつでもさっくりした出来立ての最中がお楽しみいただけます。

  手合わせという名前はお客様の手のなかで包んでいただく意味でしたが、合掌・感謝のイメージで、慶事や弔事の贈り物にもご用立ていただいています。

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(皮だけもっと食べたくなるような香ばしい焼き上がりです)

 

超特選栗部会 新田農園 新田耕三さん

先代が開墾した畑を引き継いで、1.8ha、約900本もの栗の木をほとんど一人で管理されている新田さん。植えられている7種の品種のうち7割が「胞衣」です。

 胞衣は極早生に開発された品種で、この地域では一番早い8月の25日前後に初めての収穫があります。1日でも早く恵那栗の収穫を待ちわびているお客様には期待の新種で、さらなる増量が望まれますが、早生は梅雨前後の天候の影響を大変受けやすく、晩生に比べると収穫量がその年によって大変不安定なため、農家の方も思い切って増産できない事情があります。今年も4月の遅霜や、低気温の影響を多大に受け、胞衣の終了は減量してしまいました。残り3割の中生・晩生の品種でなんとか持ち直し、総量でわずかの減収にとどまったと話されていました。自然の影響を直接受ける農作物、農家の方の気苦労も大変なものですね。

雌花が出る時期には温かく、葉の育つ頃、毬が膨らむ頃にはほどほどの降雨を。梅雨にはたくさん降って、土用には適度な日照。朝は涼しく、昼は暑く、そして実の落ちる頃には台風の通過もなく。というように、今年の秋においしい恵那栗のきんとんをたくさん食べていただくには、天候への心配がいっぱいです。天候が少しでも作物に適さないと、生育状態や味、品質が大きく変わるだけでなく、病気や虫も増え、大きな打撃を受けてしまいます。

人知ではどうすることも出来ないお天気と共存して栗を育てられている農家の方々。栗好きの皆さんも、折々のお天気を気にしながら農家の方々のご苦労を想い、今年の豊作を是非お祈りしてください。季節の畑の様子なども順次発信していきます。

新田さん、春先の不安定な天候に左右されやすい胞衣の栽培、大変でしょうが、全国の皆さんの期待に応えてどうかお体に気をつけてがんばってくださいね。

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(ご夫婦で支え合って広大な畑を管理されている新田さん)

栗三盆

栗をきめ細かく裏漉した生地に、砂糖の中でも最高級といわれる和三盆糖を加え、丸く型打ちしたお菓子。口の中に入れるとふわりと溶けるその食感にとことんこだわって、形をいろいろ考えた末に球状になりました。

 栗と合わせた和三盆糖は、黒砂糖を精製した究極の砂糖です。口どけの柔らかさと、ほんのり残った黒砂糖の風味がとても上品で、また精製にも手間がかかるため大変高級なお砂糖です。

 ほのかに香る黒糖と栗の風味が醸し出す繊細な甘みをお楽しみください。

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(お菓子であり食べる「栗砂糖」でもある栗三盆)

ひなたぼっこ

冬の夕日に映えて、家々の軒下にぽっと明かりを灯す干し柿は、日本の風物詩。柿は、その滋養の豊富さから、日本でも古くから民間薬としても用いられてきました。赤く熟れた柿をむいて軒につるしておくと、不思議なことに、渋い柿ほどどんどん甘くなります。干して乾燥させることで、さらに奥深い風味を醸し出し、ビタミンやミネラル分も増加するのです。

 市田柿は、日本に千種類ほどある柿の品種の中でも、歴史ある干し柿用の優良品種。標高が高く温度差の激しい南信州は、干し柿づくりにはぴったりの場所なのです。

 風味、栄養豊で、お天道様の匂いのする市田柿の干し柿。熟成までの間は干す位置を変えたり揉んだり、沢山の人の手間がかかっています。そんな中から、大きさ、形ともに優れたものだけを厳選して丸ごと一つを使ったのがこの「ひなたぼっこ」です。最上級の干し柿と栗きんとんの相性の良さを心ゆくまで堪能ください。

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(信州里の菓工房の加工場で素材が新鮮なまま仕上げられます)

ちょこきんとん 里の菓トリュフ・ディップ

バレンタインと言えばチョコレートですね。恵那川上屋がバレンタイン菓子用の素材に選んだのは、スイス産のチョコレート。どんな素材にもよく合うと大変人気です。そのチョコレート本来の風味を生かしながら、他にはない恵那川上屋らしいバレンタイン菓子をつくろうと、これまであれこれ企画され、ようやく定番商品としてできあがってきたのが、「里の菓トリュフ」「里の菓ディップ」そして「ちょこきんとん」です。

 バレンタインに定番のトリュフ、一緒に合わせる素材や形は、それぞれの洋菓子屋さんでいろいろ工夫されます。恵那川上屋ではチョコに合う素材を地元や契約農家でいただいている素材と合わせて研究し、その結果、干し柿、干し芋、落花生、あんず、栗、ゆず、りんご等との相性を楽しんでいただく組み合わせを、バラエティ豊かに揃えてみました。形態は素材に合わせて、チョコにくるんでしまう物はトリュフとして、素材を生かしてチョコをくぐらせるものはディップとしました。また、恵那川上屋ならではの、「えなくり」の栗きんとんをガナッシュでくるんだ「チョコきんとん」は、当初はトリュフのバリエーションの一つでしたが、特に人気が高かったのでトリュフとは分けて独立した商品として企画しました。毎年発売時期を心待ちにしていただいているお客様もおられ、嬉しい限りです。

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   (チョコに合う天然素材、意外な素材を色々試して完成しました)

  素材の果実は旬の時期に収穫して砂糖に漬けておいた自家製のドライフルーツ。安心安全で舌にやさしく後味もすっきりしています。ちょこきんとんには柔らかく甘さ控え目のガナッシュを合わせ、きんとんの食感や風味を邪魔しないよう工夫しました。今年手に入ったされた素材はこれらですが、来年は天候や諸事情でまた素材が変わるかもしれません。今年ならでは、バレンタインシーズンだけの、オリジナルトリュフをお勧めします。

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(チョコ菓子は温度管理が難しいので特に慎重に)

 

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(網の上で静かに乾燥を待つちょこきんとん)

果喜熟

南信州下伊那郡は、標高や昼夜の寒暖差など、柿の生育にとても適した場所です。古田さんは、土づくりから果樹の生育にこだわり、有機低農薬栽培を実行される数少ない生産者です。

 清流とアルプスの里で、陽の光を浴びて育った市田柿。甘くて美味しいと全国的にも評判の干し柿に、さらに完熟状態までめいっぱい高原の天日をあてた「熟し柿」。「づくし」のとろけるような食感をお菓子で再現したのがこの果喜熟です。ぷるんとした食感の柿の水菓子で栗きんとんの餡を包みました。干し柿そのものをつかった「ひなたぼっこ」や「天日果喜」とはひと味ちがう新食感です。

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(おばあちゃんにもいでもらった熟し柿の風味が蘇ります)

結いまんじゅう

「よのなか万事もちつもたれつ、結いのこころ。にんげんひとりじゃじょうずに生きていけないんだな」

とラベルにも書いてある「結いのこころ」。「結いの精神」とは、日本の農村社会に古くから根付き、伝承されている助け合いのこころです。広大な土地での農作業、雪や天災などで発生した作業、冠婚葬祭、かやぶき屋根の葺き替え。など一家族だけではとても大変で手に負えない作業を、地域の、街ぐるみで助け合い、励まし合うやりかたです。

 恵那川上屋で引き出物や贈り物に人気のこのお菓子、実は恵那市の合併にかかわるイベントの折、記念品用に特別注文されたものでした。「何か恵那らしい素材で、恵那にしかないお菓子を」というご要望に企画を練り、それでは素材は恵那の栗で、形は昔からおめでたい席で振る舞われていた「子持ち饅頭」を参考に、中の小さいお饅頭は合併した市町村の数だけ入れよう、と、このかたちの原型になりました。それから、このおまんじゅうを食べられた方や、口コミで興味を持たれた方からのご注文をいただくようになり、商品化しました。

 用途は子孫繁栄を祈る結婚式の引き出物や、「祈願が実を結ぶ」という縁起で願掛けの贈り物や、内祝いにもご用立てられています。また喜びや悲しみを皆で分かち合う意味から、お悔やみの席ななどでも幅広くご注文をいただきます。

 中に栗きんとんがいくつも入った大きな栗きんとんまんじゅう、バレンタインなどに贈ると愛する気持ちが実を「結ぶ」かもしれません。チョコとは趣向を違えたこのお菓子、和菓子好きの男性に是非いかがですか。

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(どこをきっても小さなきんとんがでてきます)

冬栗きんとん 天日果喜

 木枯らし吹く季節、家の軒先に吊される干し柿は、誰もが懐かしく想う日本の風物詩。陽の光をいっぱいに受け、乾いた北風に晒され、日ごとに甘さを増す様子を見ながら、食べ頃を心待ちにしたものです。

 この天日果喜のオリジナルは当初「ひなたぼっこ」として、発売されていました。そのあとに、柿を丸ごと使用した現在の「ひなたぼっこ」のかたちに変わりましたが、「冬のくりきんとんと謳うにはやはり栗きんとんがメインであったほうがよいのでは」ということで、復刻版のこの形に戻りました。こちらは干し柿があまりお好きでない方も充分楽しんでいただけるよう、栗と干し柿のバランスをよく研究しました。

 市田柿の干柿を細かく刻んだものに練り切りを加えて皮にし、中に栗きんとんを包みました。栗と柿の素朴な風味が口の中でやさしく溶けあう素朴で優しい食感です。

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(お客様からも「あの商品をもう一度発売して欲しい」という声がたくさんありました)