2010年1月アーカイブ

冬の間の手入れ

10月の半ば頃に晩生品種の収穫が終わり、すっかり葉も落ちた栗の木。春の芽吹きまで栗農家の方々は一休みと思いきや、冬の間も大変な作業が続けられるのが栗栽培なのです。

 まず来年のために「超低樹高栽培」に基づいた特殊な剪定方法で、枝を払います。これは、来年の栗が陽の光をいっぱいに浴びて、病気なく育つようにするための大切な作業です。剪定の善し悪しで収穫量が決まるといっても過言ではありません。剪定が終わった木は「え?こんなにスカスカに切ってしまうの?」というぐらい枝だが少ない仕上がりです。初心者の方は、「これで本当に来年の収穫があるのか心配になった」と口々に言われるほどすっきりと剪定されます。ここで馴れない方が自分で施すとついつい沢山の枝を残してしまいがち。次年度には枝と枝の間が混んでしまい日当たりが悪くなりがちで、かえって減量となってしまうそうです。「自分の畑は他人に剪定して貰った方がいい」と栗博士もおっしゃっていました。

 その剪定作業が終わると次は枝の片付け、数百本もの樹木がある農家の方も多く、たいへんな作業です。そしてその合間をぬって施肥。籾殻や鶏糞などの自然素材を使った有機肥料はかさや重量も多くとても辛い作業です。

 そして伐採した枝を植えて苗にしたり、育った苗を接ぎ木したり、またその手入れや見回りなど、休む暇なく作業が続けられます。

 一つの栗にも沢山の手間と苦労。それが解ると、さらにおいしく有り難くいただけますね。

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(すっかり刈り込んで春に備える栗の木)

 

栗を愛する仲間たち「栗人(くりうど)」という考え

私たち「栗をこよなく愛する」工房スタッフは、同じように栗を慈しみ育てている栗農家の方々との相互交流を深めながら、日本全国の栗きんとん栗愛好家のお客様に、たくさんの美味しいお菓子をお届けしようと頑張っています。

 そんな私たちの理想は、栗農家、工房スタッフ、お客様の三者が「栗が好き!」という同じ心をもつ仲間「栗人(くりうど)」として、同じ喜びが共有できることです。毎年、丹精込めて育てた栗のお客様の反響に、栽培農家も一喜一憂。そして、お客様も毎年の天候や栗の収穫状況をハラハラして見守っていただくなど、私たち工房が仲介人となって、同じ喜びやドキドキ感を「栗人」の仲間で分かち合うことで、栗を愛する気持ちが共鳴しもっともっと栗や栗菓子、栗文化が全国へ広がってほしいと願い、これからの活動などに付いて思いを馳せてます。。

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(栽培農家と工房とお客様の交流の場である感謝祭)

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(栗人のTシャツと手ぬぐいを販売しています)

とら煮

 栗の実を守っている外皮、鬼皮や渋皮を剥く作業は、大変手間がかかることは以前にもお話ししました。旬の時期にはお客様の需要に皮むきが追いつかない忙しさになります。

 甘露煮など見た目が重要なお菓子ほど美しい仕上がりが必要ですが、最上級とされるダイヤモンドカットができる熟練した方は少ないため、必然的にお値段は高くなってしまいます。

 渋皮が寅模様に残っている「とらむき栗」は、ダイヤモンドカットよりも手間が省けるため、少々ですがお値打ちにお求めいただけます。さらに渋皮が残っていることで、栗本来の風味にポリフェノールなどの成分や、独特のコクも加わり「渋皮煮」よりもマイルドな味をお楽しみいただけます。

 度重なる試食と開発の結果、二つの味の「とら煮」を発売しています。形を崩さず柔らかく味が浸透するレトルト製法を用いて、お手軽にお召し上がりいただけます。寅年にふさわしい商品になりました。

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(鍋で炊くと崩れてしまいがちな甘露煮も、レトルトならきれいに仕上がります)

スペイン交流報告 その2

オレンセの栗祭り「マゴスト」

 スペイン行きのもう一つの目的は スペイン オレンセの栗祭り、マゴストへの参加でした。マゴストは、ヨーロッパの栗の一大産地であるオレンセで開催される栗の収穫祭です。

 お祭り会場中央では大きな鉄板が用意され、地元産の栗が次々と焼かれます。袋詰めにされた栗はお祭りの参加者全員に配られ、参加者は同じく盛大に振る舞われる特産品のワイン、パンとともにそれらをいただき、収穫の喜びを分かち合います。

 

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        (大きな鉄板で栗を焼いて参加者全員にふるまう)

 

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       (オレンセ特産のワインと栗とパンがメインディッシュ)

 オレンセの栗は自然の山でのびのび育った天然栗。焼くとぽろっと皮がむけて、とてもおいしい栗です。マロングラッセに最適なのでこの地方の名物になっています。

 長い歴史を持ち、シンプルで活気のある感謝祭で、現地の方々との交流も合わせてとても有意義な時間を過ごしてきました。昨年11月には本社のある恵那でも第1回豊年謝恩祭を開催しました。日本のマゴストとして末永く続く伝統のお祭りにしていきたいと意気込んでいます。お楽しみに。

09秋 スペイン交流報告 その1

ヨーロッパでも栗きんとんは大人気。

 かねてより交流のあった、スペインのお菓子会社ホセ・ポサーダとのご縁から、この度、ヨーロッパのグルメフードショーに参加しました。

 2009年11月6日、7日、8日、本年度の担当国スペインの、サンディエゴ・デ・コンポーストラで行われたこの総会は、OENOガストロミック団体のヨーロッパ議会が主催。ヨーロッパ全土の高品質で多種多様な商品のテイスティングが行われる品評会です。 ワイン、海産物加工品、エコロジックフードなどの製造・販売会社や、バイヤーの方が参加し、ここで良い素材と出逢えばそこから取引や交流のチャンスが広がります。

  毎年国を替えて開催されるこの会に、恵那川上屋の栗きんとんを出品させていただける事になり、大変光栄な想いを胸にスペインに赴きました。当日は栗きんとんの実演を行い、地域食文化の継承や、栗での相互交流の意気込みなどをプレゼンテーションしました、

  欧州では比較的糖分が多いお菓子が伝統なので、栗きんとんの淡い甘さと風味の侘び寂が伝わるかとても心配でしたが、お陰様で大変な良い評価をいただき、温かい思いで胸がいっぱいになりました。

  参加のきっかけを作っていただいた、ガストロノミー協会理事のホセポサーダさんに感謝すると共に、ご縁というものの不思議さとありがたさを実感しました。

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(ヨーロッパの方々にも大好評だったきんとんの実演)

 

栗羊羹 くりむし羊羹

栗菓子と言えば栗きんとんや栗饅頭と並んで「栗の羊羹」が思い浮かびます。渋めに入れた熱いお茶と小豆羊羹、中には黄金色の大粒栗の甘露煮がゴロゴロ。甘い物好きにはたまりません。

恵那川上屋の栗羊羹には「練り羊羹」と「蒸し羊羹」があります。それぞれ食感が違い、どちらも甲乙つけがたいおいしさです。「練り」羊羹は餡と寒天を練りながら火に通し、冷めていくうちに寒天で固まったもの。歯ごたえがあり、しっかりした餡の味が楽しめ、甘みが多い分、日持ちもします。「蒸し」羊羹は、小麦粉や葛を餡と合わせ蒸し上げたもの、あっさりとした軽めの食感でいくつも食べられます。蒸し羊羹はお砂糖控えめの冷蔵・生もの扱いです。お早めにお召し上がりください。みなさんもぜひ一度2つの栗羊羹を食べ比べてみませんか。

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(どこを切っても大粒の栗が楽しめる栗蒸し羊羹)

中津川市栗振興会 女性部の活動について

栗農家のご婦人方の情報交換の場

 中津川市に農園がある超特選栗の栽培農家の中で、有志の女性の方々が、女性部の活動に参加されています。現在20人ほどいらっしゃいます。

 兼業農家が多い中、ご主人が出勤されている日中の畑を預かり、主な作業を任されている陰の主役が女性の方々です。ずっと家で辛い作業をされているので、定例の会合は貴重な情報交換と、日頃のストレス解消の場。皆さん楽しみに集まってくださるそうです。会合では勉強会、栗のレシピの交換や栗料理、栗菓子の研究まで色々な試みをされ、恵那川上屋の新製品の開発にも大きく貢献していただいています。

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(JAのキッチンを借りて製作作業やレシピ研究などされています)

恵那山の麓の地域で女性部はここだけということで、色々な大会やイベントにも声がかかり、配布や販売用のお菓子などもボランティアで製作されています。

 恵那川上屋の菓子職人とのコラボレーション作品がもっと増えていくことを、工房でも期待しています。女性部のみなさん、よろしくお願いします。

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(中津川市栗振興会 女性部部長の土屋厚子さん)