2009年11月アーカイブ

栗おこげせんべい

 栗きんとんを炊いたときに底にできる「おこげ」は、知る人ぞ知る人気のお菓子でした。店頭に出さないうちに予約で引っ張りだこ、その香ばしさと「するめ」のような不思議な食感を楽しみに、このシーズンを心待ちにされているお客様も多くいらっしゃいました。

 ところが、このお焦げが鍋にできるということは少なからず栗きんとんの味にも影響します。例えば皆さん、カレーの底を少しだけ焦がしてしまった時に、カレーの鍋全体の味が焦げっぽくなって残念に思ったことありませんか。それと同様に、少しでも焦げができると、栗の微妙な風味が焦げの風味で損なわれてしまいます。そこで研究を重ねた成果、焦げが出ない製法をあみ出す事に成功し、栗と砂糖のバランスで引き出す繊細な栗の風味楽しんでいただくことが出来るようになりました。ところが、その結果「おこげ」が生産されないことになってしまい、がっかりされたというお客様の声もたくさんいただきました。そこで、それならおこげをお菓子にしようと、度重なる試作を繰り返して誕生したのがこの栗おこげせんべいです。栗と砂糖のバランス、しっとり感、歯ごたえ、香ばしさ。すべてを追求した焼き菓子です。季節限定なのでお早めにどうぞ。

栗きんとんとはまたちがった香ばしい風味

(栗きんとんとはまたちがった香ばしい風味)

恵那川上屋の栗菓子について

 こちらの「栗のはなし」コーナーでは、超特選恵那栗を素材に使用したおすすめのお菓子をご紹介しています。

 現在、恵那山の麓の契約農家で収穫されている超特選恵那栗は100t弱ですが、それだけ採れてもまだまだお客様の需要にはお応えできていない状況です。

 もちろん栽培面積や収穫量の増加を目指し頑張っていただいていますが、桃栗3年というぐらいで、成木になってから、おいしい栗ができるようになるまでは35年、種や苗からですともっと遙かなる時間をかけないと栗の収穫には至りません。

 そこで、超特選恵那栗の技術を他の場所の栽培者に供与して、恵那山の麓以外でも収穫が確保できるように活動が行われ、そこから仕入れた栗も使用しています。

 将来的に恵那山の麓の栽培農家で全量を確保するのが目標ですが、その頃には、技術供与した土地での栗生産量も増えているはずです。恵那山の麓と並ぶ栗の産地として街おこしにつながって行くことを願っています。

 現在、長野、熊本等では栽培方法の技術移転の他に、素材の一次加工が進んでいます。これら他産地と連携しながらどんどん産地開発をすすめていく方針です。

 恵那山の麓で収穫された恵那栗、他の産地で技術供与して厳しい生産管理の下で育てられた恵那栗。それらを総称して一つの恵那栗と称し、素材の良さを生かすおいしいお菓子作りに励んでいます。

おいしい栗が採れる他県の産地で技術講習を行う塚本實先生

  (おいしい栗が採れる他県の産地で技術講習を行う塚本實先生)

夢の新品種開発中

 栗には、内側の実をまもる外皮「毬、鬼皮、渋皮」があり、これを取り除くための下ごしらえがとても大変なことは以前お話ししました。人気商品の羊羹などに多くの需要がある栗の蜜煮も、むき栗の加工が追いつかず、なかなかお客様のご要望応えられないのが現状です。

 そんな状況に朗報。栗の栽培・加工業界で期待の新品種登場。それが「ぽろたん」です。ぽろたんという名前は「皮がポロッと取れる丹沢種」の略称・愛称です。響きが可愛いですね。ぽろたんはひいおじいさんが「森早生」。おじいさんが「国見」。そしてお父さんが「丹沢」という改良品種です。それぞれの特徴を受け継ぎ、早生で、大振り、身も詰まって、とても甘い。そしてそしてなんと、あの硬い鬼皮と、薄くてむきづらい渋皮が、少しの加熱でぽろりととれてしまうと言う夢の品種なのです。

 でも、反面、病気に少し弱かったり、加工で煮崩れしやすかったりという欠点もあり、農業試験場や、お菓子業界もぽろたんの実用化を控えてただいま研究中です。

 まるで「でっかい甘栗」のような甘くてコクがあるおいしいぽろたんを、皆さんお楽しみに。

  煮崩れなく調理するには秘密の加工法があります

(煮崩れなく調理するには秘密の加工法があります)

スペインオレンセの収穫祭

スペインの栗祭りに出席します

 栗に対する熱い想いを分かち合う事で始まった、スペインの「ホセ・ポサーダ」社とのご縁。スペインのガリシア州オレンセ地方で、地域を挙げて盛大に行われている栗とワインの収穫祭「マゴスト」に今年も参加してきます。

 「マゴスト」は400年以上も前から続くイベント。これに出席して、産地にある素材を加工し、栗という食文化の発展と継承について国境を越えた相互交流を行うことが参加の目的です。前回は栗きんとんを披露して現地の皆さんに大変な反響をいただきました。

 栗を通じた文化交流を記念して店頭ではこの季節のみポサーダ社のマロングラッセを販売しています。本場の味を是非お試しください。

オレンセ地方の伝統的な祭り「マゴスト」

(オレンセ地方の伝統的な祭り「マゴスト」)

ガリシア地方の栗を砂糖とバニラで漬けたシンプルなマロングラッセ

(ガリシア地方の栗を砂糖とバニラで漬けたシンプルなマロングラッセ)

渋皮について

栗の実にしっかりと張り付いて、栗をむくときにはとてもやっかいな渋皮。うっかりそのまま食べるとその名の通り渋みが強く、とかく敬遠されがちの渋皮ですが、この内皮の成分が最近とても脚光を浴びています。

その渋さの本である「タンニン」には抗酸化作用があり、成人病の予防にも効果が期待できることが実証されています。

渋皮ごと調理すれば面倒な作業がひと手間省ける上に、むき栗の栄養価に、さらなる効果が加わるわけです。

甘露煮を渋皮ごと煮ると、苦みが薄れ、味にコクや奥行きが感じられます。当店の「渋皮煮」はごひいきのお客様も多く、人気商品となっています。むき栗だけのあっさりしたストレートな風味に比べ、渋皮付きは栄養と風味が特徴です。捨てる部分が少なくエコロジーにもなる渋皮栗のお菓子を是非どうぞ。

渋皮の成分がとけこんで風味も一層豊か

(渋皮の成分がとけこんで風味も一層豊か)